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TEAM BAKU - 建築ブログ -

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チーム・バク一級建築士事務所の設計した建築のうち、公開可能な建築現場監理の内容を主に記載しています。住み良く、使い易く、環境に配慮した建築を提案します。

谷口吉生『私の履歴書』を読んで

 1939年10月18日、横浜港――。
 母の腕に抱かれた二歳の私は、突然激しい熱さを頬に感じ、大声で泣き叫んだ。


 「おやっ・・」と思ってしまうくだりから始まる、谷口吉生著『私の履歴書』
 この単行本、かつて私が所属していた設計事務所の先輩が、金沢の建築見学に行かれ、開館まもない谷口吉郎・吉生記念金沢建築館 見学時に購入されました。
 私が一昨日訪ねた折「面白かったよ。」と言われ、貸してくださいました。
 その時は正月休みに読ませていただこうと思っていましたが、当日晩、冒頭を読み出したら止まらなくなり、その日のうちに読み終えました。

 内容は谷口吉生氏ご自身の幼少期から始まり、父・吉郎氏のこと、学生時代を経て現在に至るまでのプライベートなこと、そして今まで設計してきた各建築の着想やエピソードまで興味深く書かれていました。

 これまで作品主義の谷口氏は、ご自身の建築について多くを語らなかったのですが、今回は金沢の実家の土地を市に寄贈し、建築文化拠点施設(後に、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館 と命名される)がご自身の設計で建築されるのを機に、金沢市に感謝すると共に、開館に際し、父で建築家だった吉郎氏と共通するものを残そうと思い、日本経済新聞に連載された内容をまとめ、本書を上梓されたようです。

 谷口氏の仕事に向き合われる真摯な姿勢は、谷口建築ファンならずとも、お勧めしたい一冊だと思います。


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【谷口吉生 私の履歴書】


谷口吉生『私の履歴書』を読んで_c0376508_09413605.jpg
本棚の中から、谷口吉生氏に関連する建築本を取り出してみました。
左は新建築1979年9月号、資生堂アートハウスの中庭見上げが表紙に。


谷口吉生『私の履歴書』を読んで_c0376508_06102372.jpg
【資生堂アートハウス】
 谷口氏の実質デビュー作。
就職して間もない頃に完成し見学に行く。周辺敷地も含めた幾何学的な造形美や、初めて観る銀色に輝くタイルの外壁に衝撃を覚える。のちに谷口氏が窯業会社に要望して生み出された銀色の磁器質施釉タイルで、ラスタータイルと言う名だと知る。



by team_baku | 2019-12-22 10:24 | Comments(0)