亡きNさんによせて
2020年 06月 17日
先日、弊社代表と共に訪れた静岡県立美術館で開催されていたバウハウス展 見学後のことですが、弊社代表が「藤田巌(日本人学生)の卒業設計の断面パースの展示を観て、今年3月に64歳で亡くなった同級生N 君の描いた緻密な断面パースを思い出した」と話をされました。
それは遡ること43年、大学の卒業設計でチームを組んだN さん、A さん、弊社代表 I さんの3名は、当時、イランのパーレビ国王主催のパーレビ国際図書館の設計コンペに取り組んだとのこと。それは当時、所属ゼミの沖種郎先生がこのコンペに参加される予定で、学生に対しても同じコンペを卒業設計の課題にしたとのことでした。そして「その断面パースはその時描かれた図面」であると。
当時、コンペ案を考える前にまず、英語で書かれたコンペ要綱を訳すことから始まり、そののち3人各々が案を考え、それを持ち寄り、取りまとめてチーム案とし、終盤では連日徹夜で作成したとのことです。
このようなことをひと言ひと言、噛みしめる様に話してくれました。歳を重ねると返って鮮やかに蘇る思い出がありますが、きっとそんな思い出なのではないかと思います。
そして私もそうですが、学生時代の友人というのは面白いもので、いくつ年を重ねても変わらない存在であり続けるように思います。
そんな思いの中、弊社代表はこの卒業設計作品を、先に旅立たれたN さんへの感謝を込め、多くの方々に見ていただきたいと思われたのではないかと思います。ぜひご覧ください。
卒論発表会での合間の一コマ。この時はそれまでの徹夜作業で皆さん疲れ果てていたとのこと。
後列中央の3人、左からNさん・弊社代表・Aさん。前列中央が沖種郎先生。
後ろに見える建物は八王子の大学セミナーハウス(吉阪隆正・設計)この施設で卒業設計展・発表会が行われました。