浜松城 古絵図展 見学

浜松城―築城から現代へ―

 22日のことですが、この日は朝から弊社代表とN病院グループ各館の防火設備(防火扉・防火シャッター・防煙クロススクリーンの煙感連動作動状況)の定期報告調査を行いましたが、午後3時には終了したので、弊社代表の提案で浜松市博物館で開催されている浜松城展に向かいました。
 
 というのも、最近のマスコミ報道で浜松城最古の古絵図が見つかり、今月17日から浜松市博物館で展示されていることを知っていたからです。この絵図は今春、市内の絵図収集家の遺族の方から浜松市に寄贈されたものだそうです。今まで浜松城の絵図は数十枚確認されているようですが、この絵図はこれまでに知られていた絵図よりさらに古く、江戸時代前期の城郭を表している貴重な絵図とのことで興味がありました。

 さっそく受付でコロナ対策の体温検査を済ませ、常設展を脇に見て奥の浜松城展に向かいました。第一展示室では中央に城下町の絵図が大きなガラスケースの中に展示され、周囲には発掘された瓦や焼き物などが展示されていました。そして奥の特別展示室にお目当ての浜松城の古絵図や城下町の模型や絵図が展示されていました。展示されていた浜松城の古絵図は8枚ほどでしたが、多くの絵図は城郭だけが描かれているのに対し、今回寄贈された絵図は城郭のほかに建物も細かく描かれていて、そういった点でも貴重なのではないかと思いました。
 
 このブログには特別展示室の浜松城や城下町の古絵図は載せられないので調べてみましたら、浜松市文化遺産デジタルアーカイブの浜松城と城下の絵図で公開されていました。←青文字の部分にリンク先を貼りましたので、ご興味のある方はタップまたはクリックしてみてください。またこのサイトには浜松市所蔵の歴史資料一覧もあり、歴史好きの方ならかなり興味深く見ることが出来るのではないかと思います。
 


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【特別展入り口】
中央の大名家の家紋をあしらった暖簾をくぐると展示室になります。


※館内係員さんに第一展示室内のフラッシュ無しでの撮影の許可を得ています。但し浜松城絵図や城下町絵図・模型が展示されている特別展示室内は撮影禁止でした。
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【青山家 御家中配列図.1】
 浜松城主 青山氏によって元禄年間(17世紀後半)に作成された城下町の絵図です。約3.5m角の展示ケースに納められています。
 歴代浜松城主は徳川家康公 以後25代(江戸時代以後は譜代大名12家22代) 替わっていますが、青山家は宗俊・忠雄・忠重3代が1678年から1702年まで治めていたようです。




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【青山家 御家中配列図.2】
 画像上が南です。
 凡例に依り 御家中 家臣の屋敷(橙色)・寺社(桃色)・町屋(水色)・道筋(赤色)・水堀(青色)・空堀(茶色)・芝土手(黄緑色)・山林(緑色)・田畑(無着色)に色分けされています。

 中央部が浜松城で現在の浜松市役所や浜松城公園、左下部の古城 侍屋敷と書かれている部分は今川氏 支配時の引間(曳馬)城で、現在の元城東照宮や周辺の住宅・マンションや駐車場です。

 永禄12年(1569年)、衰退した今川氏から新たな遠江の支配者となった徳川家康、当初は古代からの遠江国府であり、当時 遠江守護所が置かれ政治や商業の中心地であった見付(現・磐田市見付)に拠点を考え、今川氏時代の見付端城の南東1kmの丘陵地に新城(城之崎城)の築城に着手します。
 しかし甲斐から侵攻し、駿河を支配した武田信玄の東から侵攻に備えるため築城を中止し、天然の要害となる天竜川の西側に位置する引間城の西南の丘陵地を大規模に拡張整備し築城します。そして元亀元年(1570年)、この新たな城をかつてこの地にあった荘園・浜松荘に因み浜松城と命名し、江戸時代には浜松宿として栄え現在の浜松市の基盤となります。



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【浜松城を現在の地図上に重ね合わせた図面】
 画像上が北です。城郭は東西600m、南北650mの規模に及びます。
 城郭南端に位置する大手門は東海道に接し、大手道は拡幅され現在の飛竜街道(国道152号)になっています。二の丸周辺は現在の市役所です。以前、日限地蔵尊の鎮座される場所で紹介させていただいたO邸敷地、及び貸し駐車場は古城(引間城)の四つの曲輪のうち右上であり、元城東照宮は左上の曲輪になるようです。そういえば、戦後から昭和57年まで浜松城本丸跡地には動物園があり、子供の頃 親に連れて行ってもらい、象さんを見たことと魔法瓶の水筒を何かにぶつけて割ったしまった思い出があります。




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【二の丸御殿の間取り図】
 何回行っても迷いそうな間取りです。中央左に御鳥部屋が二室ありますが鷹狩に使う鷹の部屋でしょうか?




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【現在の天守の設計図】
 昭和33年に再建された天守立面図の青焼き図面。設計者の城戸久 氏は戦後多くの城の再建に携わってきたようです。今回初めて知ることが出来ました。



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【浜松市博物館 正面入り口】



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【蜆塚遺跡の復元家屋】
 蜆塚(しじみづか)公園内にあり博物館と共に見学できます。約4000年前の縄文時代の貝塚が保存され公開されています。



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【特別展 関連本】
展示会場で購入しました。弊社事務所打ち合わせコーナーの本棚に置かれています。ご興味のある方はどうぞ!



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by team_baku | 2020-10-24 09:55 | 建築見学 | Trackback(2)

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