今週6日(火)から10日(土)まで、3年ぶりに袋井市と掛川市に跨る小笠山総合運動公園・エコパで
学生フォーミュラ日本大会2022が開催されました。今年はコロナ禍により海外チームの参加はなく、国内チームだけでICV(ガソリンエンジン車)クラスが55チーム、EV(電動車)クラスが14チームの参加ということでした。
6日からの車検に始まり、スキッドパッド(8の字コースでのコーナリング性能)やアクセラレーション(0ー75m加速)やオートクロス(800mコースでの2周走行)の動的審査を経て、今日10日は大会の華・エンデュランス(1kmコースでの20周耐久走行・燃費)のファイナルで、多くの観衆で賑わっていました。
例年、エンデュランスではコース北側に観客用仮設スタンドが建てられるのですが、今回はコロナ禍ということで、学生・関係者と一般来場者の近接を避けるため、一般来場者はコース外西側のエリアに限定されての入場でした。また、これまでは第10駐車場に設けられた車検エリアや協賛企業エリア、第11駐車場のチームピットエリアなど自由に入場出来たのですが、今回は禁止。コロナ禍では仕方ありません。
そしてエンデュランスは一周1kmのコースを2名のドライバーが交代で20周するのですが、パイロンで仕切られた狭いコースの上、ショートストレート・ターン・スラローム・シケインの繰り返し、ステアリング技術の要る難関コースです。それだけに無事走行を終えることが出来ると、来場者の皆さんから自然に拍手が起き、なんとも清々しい気持ちになります。これを実感したくて毎回来ているのだと。
ここで学生フォーミュラについてですが、学生チームが自ら企画設計して小型フォーミュラマシンを製作し、そのアイデア・デザイン・コスト・性能を競う大会で、世界各国ほぼ同じルールで開催されています。その始まりは1981年にアメリカで開催された「Formula SAE」で、日本大会は2003年から開催されていて今大会が20回目となります。会場は第1回から第3回までは富士スピードウェイ、第4回からはずっとエコパで開催されています。今日も一般来場者用の駐車場になった第8駐車場は全国各地のナンバープレートの車が駐車され、学生フォーミュラOB・OG始め、車好きな方が日本各地からエコパにみえているんだなと実感させられました。
そして一般来場者エリアに当てられた第9駐車場の西側から、エコパウォーキングコースの「みはらしの丘」に行く道があるのを見つけたので、エンデュランスの合間に行ってみました。森に入ったらいきなり階段で、また階段。9割方は階段のコースでした。下りの時に数えてみましたが297段。平均蹴上げ寸法20cmとして約60mの高低差でした。予期せずいい運動になりました。

【エコパの森ウォーキングコースマップ】 ※エコパ公式ウェブサイトより
画像上クリックまたはタップで画像拡大できます。
P9(第9駐車場)に動的審査コース、P10(第10駐車場)に車検エリアや協賛企業ブース、P11(第11駐車場)にチームピットが設営されます。
【P8(第8駐車場).1】今日は朝7時30分からエンデュランスが始まり、私が着いた8時30分頃は6割くらいの駐車台数でした。帰宅しようと駐車場に戻りかけた11時30分頃にはこんな状況に。この第8駐車場が満車になると1kmほど離れた第5、6駐車場に駐車して歩いてくることになります。前回までは第5駐車場から第10駐車場までシャトルバスが開催期間中運行されていましたが、今回はコロナ禍により中止されたようです。
【P8(第8駐車場).2】今大会はこれより奥には関係者以外進めません。
【P8からP9(エンデュランス会場)への通路】奥のなだらかな斜面の上がエンデュランス会場です。胸がワクワク、自然に足早になります。

【エンデュランス.1】
京都大学.1
エンデュランスでは20周の走行延べ時間だけでなく、燃料又は電力の消費量も走行後測定し評価されます。
この京大フォーミュラマシンはサスペンション機構に工夫があり、走行中フロントサスペンションの動きに応じ、リンクしたバーの作用でフロントエアロウイングとサイドスカートが、路面とのクリアランスを常に最小とするよう上下に動きます。これにより走行時の車体底面への空気の流入や気流の乱れが減り、より安定した走行が出来るということです。

【エンデュランス.2】
京都大学.2
京大チームは上位の常連ですが、10年くらい前には女性ドライバーということもありました。
【エンデュランス.3】京都大学.3
一瞬、マフラーからの白煙かと思いましたが、コースラインを踏んだことによる消石灰の飛散でした。
【エンデュランス.4】工学院大学.1
ファイナルに初登場で上位が期待されます。
【エンデュランス.5】工学院大学.2
【エンデュランス.6】山口東京理科大学.1
カーナンバーは前大会の順位を表しています。エンデュランスの走行順は今大会のオートクロスの順位で決められるので、最終日後半に走行している№23の山口東京理科大チームはそれだけ良い車両を作り上げてきたということです。

【エンデュランス.7】
山口東京理科大学.2

上記の山口東京理科大学同様、今大会で好成績を修めました。
【エンデュランス.9】茨城大学
2019年度の大会ではベスト・サスペンション賞受賞、上位の常連校です。
【エンデュランス.10】千葉大学.1
アクセラレーション(0ー75m加速)の千葉大、2019年度の大会では3.995秒の日本記録を打ち出しています。
【エンデュランス.11】千葉大学.2

【エンデュランス.12】
名古屋工業大学
名工大フォーミュラマシンはオールブラックの車体で上位の常連校です。
車両設計においては、高速域では独自に工夫したフロント・サイド・リア各ウイングが引き起こすダウンフォースで旋回性能の向上を図り、ダウンフォースの見込めない低速域ではメカニカルグリップを活かしたサスペンションを用いることによって旋回性能の向上を図っているとのことです。
【エンデュランス.13】コース東側、テント手前がエンデュランス参加車の待機スペース。ドライバーの交代もこのスペースで行われます。

【エンデュランス.14】
西側一般来場者。エンデュランスは生中継で
YouTube配信されていますので、スマホで確認が出来ますが、現地では対のコーン型スピーカーから、その実況解説が流れます。

【エンデュランス.15】
スタッフによるコース点検、エンデュランス1回ごとに行われます。白線とパイロンでコースが示され、走行中にパイロンを飛ばすと所要時間にペナルティーが加わります。
今年は諸事情によりファイナル午前の部までで、午後のファイナル6は観られなかったのですが、さきほどHPで確認したところ京都工芸繊維大学チームがエンデュランス1位となり、総合優勝も獲得したとのこと。また、EVクラスでは地元であり、エコパのすぐ西側にキャンパスが立地する静岡理工科大学EVチームが優勝したとのことです。両チームの皆さんおめでとうございます。
来年度はまた、各校新たなフォーミュラマシンを製作し参戦してくれることを楽しみにしています。
【エコパウォーキングコース】
【みはらしの丘コース.1】P9(エンデュランス会場)西端から、さらに50mほど入ったみはらし台への登り口です。初のコースです。

【みはらしの丘コース.2】

【みはらしの丘コース.3】

【みはらしの丘コース.4】
延々と階段が続きます。

【みはらしの丘コース.5】
両サイドは樹木に覆われ、どこまで階段が続くのかと不安になってきます。

【みはらしの丘コース.6】
やっと(汗)みはらしの丘の四阿が見えてきました。

【みはらしの丘.1】
エコパスタジアムを望む。
【みはらしの丘.2】袋井市街地北部を望む。手前の建物群はエコパ最寄り駅のJR愛野駅周辺。
【みはらしの丘.3】第10駐車場(車検エリア)、第11駐車場(チームピットエリア)を望む。残念ながら第9駐車場(エンデュランスコース)は北西端しか見えず。