今週11日(水)のことですが、浜松市天竜区春野町領家の秋葉山本宮 秋葉神社 上社へ初詣に行ってきました。これは知り合いの建築士Kさんが、昨年の秋葉神社の縁起物・破魔矢を返納し、初詣で新たに購入されるということを聞き同行したものですが、我が家でも秋葉神社の御札「正一位秋葉神社 火災鎮護」を町内の自治会を通して購入したり、15年位前、自治会の当番班長の時には、町内にある秋葉山常夜燈の牛蒡注連縄を新しい物に取り換えたりしているので、一度は行ってみたいと思っていたことにもよります。
秋葉山本宮 秋葉神社は本宮の名が表す通り、全国に400社以上ある秋葉神社の総本宮で、秋葉山の山頂に上社、山麓に下社が建てられています。古来より神が宿る御神体山として崇敬されていた秋葉山で、御祭神は火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)です。初めて社殿が建てられたのは和銅2年(709年)のことで、元明天皇より「あなたふと 秋葉の山にまし坐せる この日の本の 火防ぎの神」と御製を賜り、社殿を建立したと伝えられています。
中世には秋葉大権現と称し、朝廷からは正一位の神階を賜り、武将からも崇敬され、源頼義・今川仲秋・武田信玄・豊臣秀吉・加藤清正等の著名な武将から数多くの名刀が寄進されました。江戸時代には全国に秋葉講が結成され参詣者で賑わいました。全国的には火防(ひぶせ)の神で有名な神社だと思いますが、家内安全・厄除開運・商売繁盛・工業発展の御霊験あらたかなるものと言うことです。
(※秋葉山本宮 秋葉神社 リーフレット参照)
【秋葉神社.1】
上社は標高866mの秋葉山山頂にあるので、天気の良い日には南に約35km先の遠州灘を望むことが出来ます。
【秋葉神社.2】 ※yahoo地図より
赤丸印が秋葉山本宮 秋葉神社 上社、白丸印が下社です。
静岡県西部、赤石山脈の南端、遠州灘から約35kmに位置します。
【秋葉神社.3】秋葉山本宮秋葉神社 上社境内の案内看板。
【秋葉神社.4】参道入り口の大鳥居。高さ約10mもあります。
【秋葉神社.5】
大鳥居をくぐると参道はほぼ階段となりますが、踊り場が適宜設けられているので登りやすい階段となっています。

【秋葉神社.6】
まだまだ階段が続きます。
【秋葉神社.7】参道の途中から南に見える風景は標高の高さを実感できます。

【秋葉神社.8】
鉄骨で造られた階段で折り返します。昨年9月の大雨の影響による崩壊箇所だと思われる法面が、ブルーシートで覆われています。
【秋葉神社.8】西ノ閽の神門(にしのかどもりのしんもん)。扁額には「正一位 秋葉神社」とあり、神門四隅には青龍・朱雀・玄武・白虎の四神の彫刻が施されています。
【秋葉神社.9】西ノ閽の神門内。山頂の本殿が少し見えてきました。

【秋葉神社.10】
幸福の鳥居。鳥居には黄金の茅の輪が吊り下げられていましたので、説明板に従い八の字周りで4回くぐりました。
この鳥居の由来ですが、戦国時代に徳川家と武田家の争い巻き込まれ秋葉山は二派に分かれます。そこで徳川家康は修験者・叶坊を秋葉山に諜報活動を託します。この叶坊が現在の浜松市中区三組町に勧請したのが秋葉不動堂(現・浜松秋葉神社)とのことです。その後、武田家が滅ぶと武田家の旧臣の多くが井伊家に属し秋葉山頂で忠誠を誓ったことから、のちに井伊直孝(井伊直政の次男・彦根藩2代藩主)は秋葉山に金銅で出来た黄金の鳥居を寄進しました。この初代の黄金の鳥居は戦時中に供出されたため、現在の鳥居は平成5年(1993年)、今上天皇のご成婚を記念して再建されたものだということです。

【秋葉神社.11】
幸福の鳥居。鳥居の先には遥か先の遠州灘を望むことができます。

【秋葉神社.12】
神恵岩。御札所の前に置かれている火打ち岩で秋葉山の山奥から採取されたものです。手前右側に置かれている火打ち金でこすりつけるように叩くと火花が散ります。古来、火打ち石は厄除け・縁起かつぎに使われてきました。写真を撮り忘れましたが、手水舎にも小さな火打ち石が置かれていて、コロナ対策の一環で手水の代用となっていました。

【秋葉神社.13】
神楽殿。本殿の一壇下の境内に建つ社殿。12月15・16日に執り行われる「秋葉の火まつり」、中でも16日夜半の防火祭(ひぶせのまつり)には秘伝の弓・剣・火の三舞の神事が古式豊かに繰り広げられます。
正面にはジュビロ磐田の大絵馬が掲げられていますが、私たちが訪れた当日、ジュビロ磐田の社長・監督・選手31人が必勝祈願の参拝に訪れていたことを翌日の報道で知りました。

【秋葉神社.14】
この階段で本殿の建つ境内の最上壇に登ります。

【秋葉神社.15】
社殿。和銅2年(709年)に建てられた社殿ですが、現社殿は昭和61年(1986年)に再建されたもので、流れ造りの本殿と入母屋造りの拝殿を幣殿で繋ぐ権現造り。総檜造りの拝殿正面は唐破風の向拝になっています。

【秋葉神社.16】
境内の最上壇より1壇下の境内の、幸福の鳥居や御札所を望む。

【秋葉神社.17】
境内の最上壇より浜松市街地、遠州灘を望む。